【Ubuntu 24.04対応】仮想化対応!ブリッジ接続+静的IPアドレスの設定方法
こんにちは!今回は、Ubuntu 24.04でのブリッジ接続(仮想化対応)+静的IPアドレスの設定について解説します。
KVM/QEMUなどで仮想マシンを構築する予定がある場合、ネットワークに仮想ブリッジを用意しておくととても便利です。
まずは基本:DHCPと静的IPの違いとは?
Ubuntuなどのサーバ運用では、ネットワークのIPアドレスの割り当て方法として「DHCP」と「静的IP」があります。
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)
- IPアドレスを自動で割り当ててくれる
- 設定不要で初心者向き
- ルーターや再起動によってIPが変わる可能性がある
静的IP(Static IP)
- 手動でIPを固定する
- 再起動しても同じIPで安定
- サーバやSSH接続に最適
- 設定ミスによる接続障害のリスクあり
補足:日常的にデスクトップ用途やモバイル端末として使う場合は、DHCPのままでも十分便利です。
ただし、サーバ用途ではIPが変わるとアクセスできなくなる恐れがあるため、静的IPが推奨されます。
ポイント:サーバとして使うUbuntuでは、静的IPのほうが断然おすすめ!
特に仮想化やリモート接続を考慮するなら、最初から固定しておくと後々トラブルを避けられます。
なぜ仮想ブリッジ(br0)が必要なの?
仮想マシンに外部からアクセスできるようにするには、仮想NICを物理NICにブリッジ接続する必要があります。
仮想ブリッジ br0
を使えば、ホストもゲストも同じLAN内のIPを使えるので、SSHやWebアクセスがとてもスムーズです!
前提条件と確認
- インターフェース名:
enp3s0
(環境によって異なる) - IPアドレス:
192.168.1.100
- ゲートウェイ:
192.168.1.1
- DNS:
8.8.8.8
インターフェース名を確認するには:
ip a
enp3s0
や eth0
などが表示されます。
netplanで仮想ブリッジ+静的IPの設定
① 設定ファイルの編集
設定ファイルを開きます:
sudo nano /etc/netplan/00-installer-config.yaml
以下のように編集します:
network:
version: 2
renderer: networkd
ethernets:
enp3s0:
dhcp4: no
bridges:
br0:
interfaces: [enp3s0]
addresses:
- 192.168.1.100/24
gateway4: 192.168.1.1
nameservers:
addresses:
- 8.8.8.8
parameters:
stp: false
forward-delay: 0
dhcp4: no
ポイント:br0
という仮想ブリッジに enp3s0
を接続し、IP設定は br0
側に記述します。
② 設定の反映
sudo netplan apply
心配な場合はテストモードを使いましょう:
sudo netplan try
60秒以内にネットがつながらないと、自動で元に戻るので安心です。
設定確認
次のコマンドでIPが割り当てられているか確認:
ip a
br0
に 192.168.1.100
が割り当てられていれば成功です。
ブリッジ構成のメリット
- 仮想マシンがホストと同じLANに属する
- ルーターのDHCP管理が楽になる
- ホストもゲストもポートフォワーディングなしで外部アクセス可能
注意点
- ブリッジ設定に失敗するとネットに繋がらなくなる可能性あり
- IPの競合やゲートウェイの設定ミスに注意
ネットに繋がらなくなったときの復旧方法
設定ミスなどでネットワークに繋がらなくなった場合は、以下の手順で復旧を試みましょう。
① ローカルに物理アクセスする
SSHが使えない場合は、直接マシンにモニター+キーボードでログインしてください。
② 一時的にDHCPで接続復旧
sudo dhclient enp3s0
これで一時的にIPが取得できれば、設定ファイルの再編集が可能です。
③ netplan再設定
sudo nano /etc/netplan/00-installer-config.yaml
誤っていた箇所を修正し、以下で適用します:
sudo netplan apply
まとめ
Ubuntu 24.04で仮想ブリッジ+静的IPの構成を最初に用意しておけば、仮想マシンの構築や運用がとても楽になります。
これからKVMやVirtualBoxなどの仮想化を導入予定の方は、最初からブリッジ+静的IP構成にしておくのがおすすめ!
次回はKVM環境での仮想マシンの作成と、実際にこのブリッジを活用する手順を紹介予定です!