自宅サーバを運用していると、「突然の障害」や「HDDの故障」など、思いがけないトラブルに直面することがあります。
そんなときに役立つのが手軽なUSBメモリでのバックアップです。
この記事では、Ubuntu 24.04を例に「USBメモリだけでできるバックアップと復元の方法」を、初心者にもわかりやすく解説します。
💾 まずはバックアップを取っておこう(基本編)
復旧の話の前に、日ごろからバックアップを取っておくことが大前提です。
ここでは、USBメモリに手動でバックアップを取るシンプルな方法をご紹介します。
📌 ステップ1:USBメモリを確認・マウント
USBメモリが接続されているデバイス名を確認します:
lsblk
たとえば /dev/sdb1
であれば、以下のようにマウントします:
sudo mkdir -p /mnt/usb
sudo mount /dev/sdb1 /mnt/usb
📌 ステップ2:バックアップ対象をコピー
/etc
や /home
、/var/www
など、サーバ構成やサイトデータをバックアップします。
sudo rsync -av --delete /etc /mnt/usb/backup/
sudo rsync -av --delete /home /mnt/usb/backup/
sudo rsync -av --delete /var/www /mnt/usb/backup/
補足:ここで使っている rsync
のオプションについて簡単に説明します。
-a
:アーカイブモード(パーミッションや所有者などを保持)-v
:進行状況を表示(verbose)--delete
:バックアップ先にだけ存在するファイルを削除(ミラーリング目的)
📌 ステップ3:MySQLのバックアップも忘れずに
データベースの内容をSQL形式でバックアップします。
mysqldump -u root -p --all-databases > /mnt/usb/backup/mysql_backup.sql
-p
の後にパスワードを入れないとプロンプトで入力を求められます。
📌 ステップ4:マウント解除で安全に抜く
sudo umount /mnt/usb
🔁 定期的なバックアップが大切!
この手順をシェルスクリプトにしておけば、毎回コマンドを打つ手間を省けます。
例:
#!/bin/bash
mount /dev/sdb1 /mnt/usb
rsync -av --delete /etc /mnt/usb/backup/
rsync -av --delete /home /mnt/usb/backup/
rsync -av --delete /var/www /mnt/usb/backup/
mysqldump -u root -p'yourpassword' --all-databases > /mnt/usb/backup/mysql_backup.sql
umount /mnt/usb
重要な設定やデータは1週間に1回など、定期的にバックアップしておくと安心です!
🔧 復旧の基本方針
最悪、OSが起動しなくなっても、/etc
と/home
があれば、クリーンインストールから元の状態へ戻すことが可能です。
以下はその基本的な流れです:
- Ubuntuを再インストール(24.04など)
- USBメモリをマウント
- 設定ファイルやホームディレクトリ、サイトデータを復元
- 必要なパッケージを再インストール
復元の一例
sudo rsync -av /mnt/usb/backup/etc/ /etc/
sudo rsync -av /mnt/usb/backup/home/ /home/
sudo rsync -av /mnt/usb/backup/var/www/ /var/www/
MySQLを復元する場合:
sudo mysql -u root -p < /mnt/usb/backup/mysql_backup.sql
📝 まとめ
- USBメモリでも十分に実用的なバックアップが取れる
- 日常的なバックアップが「いざというとき」の命綱
- 復旧も簡単!クリーンインストール+rsyncだけでOK
これを機に、あなたの自宅サーバにも“万が一の備え”を追加しておきましょう!